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ザ・ロード

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ザ・ロード

著者:コーマック・マッカーシー
翻訳:黒原敏行


DVD(映画)にもなっている作品。
父と子は「世界の終り」を旅する。
人類最後の火をかかげ、絶望の道をひたすら南へ―。


内容的に、どっちが最初かわからないけど、先日DVD版も公開された
ザ・ウォーカーと、よく似ています。

両方とも、方角は違うにしろ、海を目指しています。
また、両方とも心に人類最後の想い(思想?宗教?)を託しています。

さらに、両方とも主人公はイーライです。つまり、
旧約聖書での預言者(和名エリヤ)となります。
そう考えると、預言者が聖書を作るところまでがウォーカーなら、
息子に火を灯して託したのがロードなのかな。
もしかしたら、ロードの息子が、イーライの名前を継いで、
ウォーカーになったのかも知れませんが。

ただ、こちら(ロード)の作品の方が、より内容は深い気がします。


宗教的にも、ザ・ウォーカーは、キリスト教原理主義であり、
ザ・ロードは、もっとそれから離れた全宗教的な意味合いが混ぜられている感じがしました。







これら作品でで思うのは、欧米の偏狭な宗教観に根ざした、狭いローカルルールが
グローバルスタンダードな「コモンセンス」だと勘違いしています。

自国のコモンセンスは、習慣・宗教・風習などとして定着するのはまったく
問題ないのですが、他国に適用を強制させるのが問題だと思う。

捕鯨の問題や、対イスラムなど、コモンセンスによる非常識が、その国では
常識である認識を強制排除させる大国の政治は、まったくひどいと思う。

ここで日本が情けないのは、政治家がそれを認識できずに、自国のコモンセンス
の理解を説明できずに、他国のコモンセンスを取り入れようとする、国放棄的
な政治が残念でならない。

と、1冊の本でここまで思ったのは、なかなか、深い内容である。
by tumugu_32 | 2010-12-26 22:44 | 面白いもの


徒然なるままに夜明


by tumugu_32

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